Sustainable development goals

微細気泡研究会

「微細気泡」とは、液体中に含まれる極小の気泡群の総称です。 微細気泡は、非常に水中に溶け込みやすい性質がありますので、自然界では、海や川、滝などの水の中に自然に発生しています。近年になって人工的に大量に発生させる技術が開発されました。
直径が100 μm(0.1 mm)以下の気泡を「ファインバブル」と云い、その内訳として、直径が1~100 μmの気泡を「マイクロバブル」、直径が1 μm以下の気泡を「ウルトラファインバブル」と呼ぶことに統一されること(国際標準化;ISO/TC281)が決まっています。
この「微細気泡」には驚くべき効果があることが、効率よく短時間で水中の溶存酸素濃度をあげることなど、多くの事例により証明されており、現在、各分野で急速に導入が進んでいます。
この、「微細気泡」の効果を様々な分野に展開する研究・開発に取り組みます。

プロジェクト1
微細気泡水による太陽光パネル洗浄の推進

微細気泡水による太陽光パネル洗浄を提案しています。
マイクロバブルは洗浄や水質浄化の効果が確かめられ、工業分野を中心に産業利用が進んでいます。
バブルの破裂の衝撃で汚れを浮かせやすくしたり、泡が汚れの下まで潜り込んだり密着した物の間の狭所にも入りこみ汚れの鎖を切断し、バブルが合体し大きくなることで汚れを剥離させることで洗浄を行うと言われています。
さらに、油分に浸透し、付着面との境界に浸透するので油分を剥離除去する脱脂効果もあります。

このマイクロバブルの洗浄効果で太陽光パネル洗浄を行うことで、
1.水と空気のみで洗浄し、環境負荷を低減
2.有機溶剤、酸・アルカリ等を使用しないため安全
3.洗浄コストの大幅低減
を実現してまいります。


太陽光パネルの汚れ(左:洗浄前 右:洗浄後)

事例紹介

山梨県の協力の下、山梨県甲府市の米倉山太陽光発電所で実証実験を行いました。
山梨県企業局の協力の下、山梨県甲府市の米倉山太陽光発電所で、微細気泡水(ファインバブル水)による、太陽光発電パネル洗浄、並びに防汚コーティングの実証実験を実施しました。
実証実験は2回に亘って実施し、パネルの洗浄を行い、第2期ではその一部を防汚コーティングしました。県は、洗浄前と洗浄済みの各パネルの発電効率や、防汚コーティングによる発電量維持状況、費用対効果などを比較、検証し、事業者らへの推奨を検討するとしています。

■米倉山太陽光発電所
山梨県と東京電力株式会社が共同で建設した太陽光発電所。
一般家庭3,400軒分の年間使用電力量に相当する約1,200万kWh(キロワットアワー)の電力を一年間に生み出し、約5,100トンの二酸化炭素排出削減効果を見込んでいます。
第1期実証実験 2022年11月28日
ファインバブル水により、パネル640枚を洗浄しました。

専用ブラシによるパネル洗浄作業

2022年12月2日
UTYテレビ山梨「スゴろく」で放送されました。

第2期実証実験 2023年6月6日
パネル320枚を洗浄し、そのうち80枚に防汚コーティングを施しました。

専用ブラシによるパネル洗浄作業

「REDOX」による防汚コーティング作業