Sustainable development goals

プロジェクト詳細
微細気泡水による太陽光パネル洗浄の推進

■太陽光パネルの維持管理は必須

全国に設置が進められている太陽光発電です。
2022年8月時点での太陽光発電所は、全国で3,778施設、発電量15204129.29kwにもなっています。
(出典:資源エネルギー庁「電力調査統計」 2019年度 都道府県別発電実績)
また、敷設されているパネル数は既に100万枚を超えているとも言われています。

太陽光発電設備は、2017年4月の「改正FIT法」そして「電気事業法」にて定期的なメンテナンスが義務化されています。
メンテナンス、点検、保守作業のガイドラインは、資源エネルギー庁から配布されている「事業計画策定ガイドライン」にて「付録参照」として明記されている
「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」(一般社団法人日本電機工業会と一般社団法人太陽光発電協会発行)
に沿った形で実施することになります。

■点検項目の中でも、パネルの洗浄は重要です。

パネルの汚れは、「発電効率の低下」や「安全性の低下による事故発生リスクの増加」にも繋がります。
「パネルの汚れなんて雨で流れるのでは?」とお考えになる方もいると思いますが、太陽光パネルの角度がなだらかな場合雨だけでは鳥の糞などの汚れは落ちにくくなってしまいます。また、雨が相当期間降らず固まってしまったときは、太陽光パネルの洗浄や掃除が有効です。

太陽光パネルの主な汚れの原因は、土埃・砂埃、花粉、黄砂、鳥の糞、落ち葉、水垢、ゴミ、火山灰、雑草などがあります。
さらに問題なのは、幹線道路や高禄道路など交通量の多い道路が近く(数キロ以内)に通っている場合は、タイヤ滓や排気ガスに含まれる油分などが付着します。
これらの汚れは雨では流されにくいと言われています。

■太陽光パネルを洗浄するメリット

太陽光パネルの掃除を行う一番のメリットは、パネル汚れが原因で発生する発電量の低下を防ぐことができる点です。
発電量が収益に直結する太陽光発電所では、太陽光パネルの表面が一部分でも汚れてしまうと、パネルのセルが発電を行えなくなってしまいますが、この発電停止はセル1枚分ではなく太陽光発電システム全体の発電量にも影響してしまうという大きな問題だと言えます。
発電量を高い状態でキープするためにも、定期的にパネルを洗浄して、表面を綺麗な状態で保つことが重要になります。

■洗剤を使用しても大丈夫?

太陽光パネルを洗浄する場合は、ガラス用の中性または弱アルカリ性の洗剤を薄めて使用するのが推奨されています。
しかし、太陽光発電所は、山間地や田畝の近く、または住宅にも隣接しています。幾ら薄めてとは言え、相当量の洗剤を使っての洗浄は、土壌への影響や地下水への影響を考慮せざるを得ません。
さらに、洗剤を洗い流す為に多くの水も必要になります。

また、使用する洗剤の種類や量によっては、動植物の生息もしくは生育に支障を及ぼすおそれがあるものとして 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質排出把握管理促進法、又は単に化管法)によって定められている(平成13年4月から実地) 「PRTR制度」 による国への届け出と管理が決められています。
加えて、水道水をそのまま使用してパネルを洗うと、水道水に含まれるカルキなどの成分や水垢がパネルに付着して残ってしまう場合があるため、あまり推奨されていません。水道水での洗浄は、新たな汚れの原因になります。
また、地下水や河川水など自然の水を使うとホコリや砂がパネル表面を傷つけたりする恐れがありますので、絶対に避けるべきです。

■ファインバブル水による洗浄効果

すでにマイクロバブルは洗浄や水質浄化の効果が確かめられ、工業分野を中心に産業利用が進んでいます。
しかし、マイクロバブルによる洗浄のメカニズムは非常に複雑で、すべてが解明されていません。

現時点で最も有力とされる洗浄メカニズムとしては、
バブルの破裂の衝撃で汚れを浮かせやすくしたり、泡が汚れの下まで潜り込んだり密着した物の間の狭所にも入りこみ汚れの鎖を切断し、バブルが合体し大きくなることで汚れを剥離させることで洗浄を行うと言われています。
さらに、油分に浸透し、付着面との境界に浸透するので油分を剥離除去する脱脂効果もあります。

また、マイクロバブルはマイナスに帯電しており、その付着、吸着力と浮力によりゴミ、プラスチック、油等を浮上分離することができるとも言われています。

つまり、 被洗浄物に対して様々な形で結合している汚れに対して、いくつかの作用が複合的に働き、洗浄効果を発揮すると考えられています。

■ファインバブル水による太陽光パネル洗浄のメリット

1.水と空気のみで洗浄し、環境負荷を低減
当協会が推進しているファインバブル水による洗浄は、水と空気のみで洗浄しますので、環境負荷を低減できます。さらに、マイクロバブルには汚れを落とすだけでなく、油などの汚れを吸着して浮上させる作用があり、浮上した油などの汚れを除去し、水をリサイクルすることで長時間にわたって同じ洗浄水を使用することができますので産業廃棄物排出量の少ない環境にやさしい洗浄を実現できます。

2.有機溶剤、酸・アルカリ等を使用しないため安全
有機溶剤、酸・アルカリを使用しないため安全です。有機溶剤を使用することによる作業者への健康被害は社会問題化しています。洗浄工程の安全性に対する対応は必須であります。有機溶剤、酸・アルカリ等を使用しない洗浄なので、作業環境への特別な配慮や薬液の管理を必要とせず、薬液や装置に対する消防法などの規制もないため、だれでも、どこでも安全に洗浄ができます。

3.ランニングコストが非常に安価
使用する洗浄水は水道水と空気のみです。水道水は脱塩素工程を経て純水に変換し使用します。溶剤購入費と比較すると水道水は非常に安価でです。洗剤を流す工程も省けますので、全体の使用水量も大幅に抑えることができます。さらに、落とした汚れを油水分離装置を用いて濃縮回収することで水の再利用による水道料のさらなる低減や、産業廃棄物処理費用も抑えることが可能です。

事例紹介

山梨県の協力の下、山梨県甲府市の米倉山太陽光発電所で実証実験を行いました。
山梨県企業局の協力の下、山梨県甲府市の米倉山太陽光発電所で、微細気泡水(ファインバブル水)による、太陽光発電パネル洗浄、並びに防汚コーティングの実証実験を実施しました。
実証実験は2回に亘って実施し、パネルの洗浄を行い、第2期ではその一部を防汚コーティングしました。県は、洗浄前と洗浄済みの各パネルの発電効率や、防汚コーティングによる発電量維持状況、費用対効果などを比較、検証し、事業者らへの推奨を検討するとしています。

米倉山太陽光発電所パネル洗浄詳細

微細気泡水(ファインバブル水)による太陽光発電パネル洗浄のご提案